キャリア開発セミナー10:エンプロイアビリティ

 エンプロイアビリティ(Employability)とは文字通り、Employ(雇用する)とAbility(能力)の合成用語で、一般的には個人の「雇用され得る能力」のことを指します。当然にこの能力が高い方が、就職率も良いばかりか、条件のよい就業機会を得ることができます。

 日本は、終身雇用の慣行が払拭されているわけではありません。企業の人事制度を見ても、長期就業者にアドバンテージが残るよう設計されている会社も沢山あるでしょう。しかしながら、現在はそういう長期雇用慣行の元にある者を含め、予期せぬ(あるいは自ら望んだ)労働移動に備え、外部労働市場でも通用し、他企業に雇用されることを可能とする職業能力(エンプロイアビリティー)を磨くことが必要となってきています。それは、会社自体も、この変化の激しい時代に合って、正解を提示し、全社員のキャリアを正しく伸長させることなど無理に等しいからです。

 会社は、社員の能力向上のための機会提供をできるだけ行い、社員は会社の作る機会だけでなく、自らも機会を作り自ら成長意欲をもってチャレンジする。そして会社と社員の相思相愛(=エンゲージメント)関係は、結婚という一体化してしまう関係ではなく、どこかワクワクしながらでも一方ではリセットもありうるという「婚約の関係」こそが望ましいのだと思います。互いのことを縛りあうのではなく、いつも一定の関心を持ちながら、ときには楽しいデートを行い、時には自分のことに没頭する環境を持てるような、そういうエンゲージメントこそが、エンプロイアビリティを伸ばすことに通じるとともに、その時に一番に愛する相手に対し、自分の能力や個性を発揮することにより幸せになれるのだと思います。(続く)

タラントディスカバリーラボ

人それぞれの「心の利き手」に沿ったキャリア支援を目指します

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