キャリア開発セミナー05:ワークライフについて

 次に、ワークとライフについて考えてみましょう。世間一般では、「ワークライフバランス」という言葉が使われています。この言葉は、昭和の時代の「仕事中毒者」を揶揄するような響きがあり、ワークだけでなくライフも大切に、という意味で使われることが多いです。

 現実に、夫婦共働きの比率が全夫婦世帯の8割になろうとしている今、家庭内の役割分担をまともにできないパートナーは淘汰されていくのは当然のことでしょう。職場で、いきなり当日にアフター5の誘いをしても、多くの社員がそれに困惑していることを、年配の社員はもはや気づくべきです。共働き世帯にとって、ワークもライフもどちらも日々の大切な要素なのです。

 でも、ワークとライフは、「バランス」を取るものなのでしょうか? 

 私は、ワークとライフは別物というよりは「統合」して捉えるもの、という視点で考えたいと思います。これはキャリアの学びを続けてきた中で、慶応大学の花田教授に教えていただいたことです。

 ワークだけでは、時には煮詰まってしまうこともあるでしょう。けれども家庭の中での役割を果たすことによって、落ち着きを取り戻すことも可能です。保育園に子どもの迎えに行って子どもの顔を見たときに、仕事上で嫌な出来事があったとしても忘れてしまう、そんなこともあるかと思います。逆に家庭内で問題が起こったとしても、会社に来ればそれを忘れて仕事に没頭できる、ということもあるでしょう。また、ライフの世界で培った人脈や、損得を度返しした幅広い人間関係などが、自分のビジネスパーソンとしての幅を広げる原動力にもなるかと思います。ワークとライフは統合して考えるときに、自然と相乗効果が生まれてくるものと考えます。(続く)

タラントディスカバリーラボ

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