不適応状態が起きるのは不思議ではない

 人類の歴史は、約200万年前に遡ると言われています。いわゆる「原人」といわれる種が生活しはじめた頃で、年表でいうと新生代の中の「更新世」と呼ばれる時期にあたります。

 縄文時代が約1万5千年前、文字文化が発祥したのが約3千年前ですから、私たち人間の祖先は相当前から地球上に存在していたことになりますね。


 進化心理学の視点で考えると、人間は他の動物と比べて、「大脳新皮質」という部分が比率的に圧倒的に大きいのだそうです。(脳は、大脳新皮質の他、動物的生存に必要な大脳辺縁系や脳幹という部位があります。)

 この大脳新皮質は「社会脳」とも呼ばれ、自然環境よりも社会環境、つまりは「心」という目に見えないものを持つ同種の人間を相手に、一方的に不利な立場に置かれることなく協力関係を結ぶための共存能力を発揮する部分です。当時は、過酷な自然環境あら種族を守るために、100~150名ほどの単位で役割分担を行っていたとも言われています。

 DNAレベルの進化のスピードは極めて遅いため、人間の心の機能自体は、更新世時代からほとんど進化していないと考えられていて、そう考えると、現代人に見られる様々な認知の歪みや不適応行動が現れることは、あながち不思議ではないとも考えます。


 人間は、自分では意識的に行動しているように思っていても、無意識に処理している割合が圧倒的に多いです。(人間の脳は同時に1,100万個の情報を扱えるが、どれほど多く見積もったとしても、私たちが意識しているのは、そのうちのせいぜい40ほどだといいます。(「ティモシーウィルソン著『自分を知り、自分を変えるー適応的無意識の心理学』より)

 古き時代から無意識に備えられた人間らしいDNAを、たかが数十年のIT現代文明のゆえに粗末にしてしまってよいのかどうか・・・日常をビジネスを経験しながら、私は疑問に思うことの方が多いですね。

  みなさんはいかがでしょうか?

 



タラントディスカバリーラボ

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