キャリア開発セミナー21: ストレスマネジメント(その2)

 私は神経伝達についての専門家ではありませんので詳細はお伝えできませんが、人間の脳の神経細胞の数は、1000億とも2000億とも言われています。上記あるように神経細胞は細胞体と軸索からなっていて、軸先の尖端が隣の細胞体に神経伝達物資を浮遊させて連結するような伝達をしています。一種の電気信号を送っているわけです。

 ストレスが過剰になると、想定していない量の神経伝達を行おうと過剰電流が走り、このままではショートしてしまうという自己防御反応から自らブレーカーを落として電流を止めるような、そういう生体反応が「うつ病」と呼ばれるものです。

 ブレーカーを落としているために回路が繋がっていないので、思考は停止して、ぼーっとしてしまったりいつもできることができなくなったり、そういう悪循環から自身の生きている価値まで考え込んでしまったり、無力感に苛まれたりしてしまうのです。

 多くはストレス過剰になった場合、精神疾患になる前に、まずは体調に影響が出てくるケースが多いです。その状態を心身症といいます。頭痛、呼吸器疾患、胸の痛み、お腹の不調などが表れ、身体科で診察して投薬してもらったとしても、精神疾患が原因の場合には、身体科の領域では治癒しません。そこで初めて精神科を訪れるという図式が一般的に見られます。

 うつ病の場合には、落ちてしまったブレーカーをゆっくりと時間をかけて無理なく上げていくような治療をします。すなわち、休養と神経伝達機能を回復する投薬です。

 ただ、うつ病の場合には、再発率は50%とも言われ、一度落ちたブレーカーは、落ちることが癖になってしまうことも指摘されています。ですから、精神的な不調を感じ、並行して身体的にも何らかの異常が出ている場合には、勇気を持って周囲に相談したり専門家に診てもらうことが必要と考えます。ブレーカーが落ちてしまってからでは、修復に一定の時間がかかるからです。

 職場としてのストレスマネジメントについては、集団視点のキャリア開発の項でお話ししたいと思います。(続く)

タラントディスカバリーラボ

人それぞれの「心の利き手」に沿ったキャリア支援を目指します

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